パチンコ・パチスロ依存(のめり込み)問題の概要と対策

監修:認定NPO法人 リカバリーサポート・ネットワーク

パチンコ・パチスロへの依存(のめり込み)問題とは

パチンコ・パチスロの依存(のめり込み)について

娯楽には、日々の嫌なこと、不安、緊張などを和らげる効果があります。 ところが、娯楽が作り出す緊張感や興奮、そして快感は、人を楽しませると同時に、 人を虜(とりこ)にもしてしまう魔力を持っています。パチンコ・パチスロは、 気軽で誰もが参加できる大衆娯楽であるだけに、娯楽の域を超えてしまうこともあります。

娯楽の刺激で脳がクタクタになると、楽しんで遊んでいるつもりでも、 いつの間にか冷静な判断ができにくくなります。 自分が思ったよりも多い金額、長い時間をパチンコ・パチスロに費やすようになると、 金銭的な問題も生じやすくなります。 パチンコ・パチスロで生じた金銭的な問題を、 パチンコ・パチスロで取り戻そうすることで、さらに冷静さは失われ、 問題はこじれて大きくなります。

ここで、我に返り自分の遊び方を見直し、修正できれば問題はありません。 問題を感じながらもパチンコ・パチスロの遊び方を安全で負担の少ないものに変えることができない、 一時的に離れてもまた同じ状態に戻ってしまう。これが、依存(のめり込み)です。

依存(のめり込み)の状態を続けると、 パチンコ・パチスロをしたい気持ちを全く抑えることができない、 やり始めるとコントロールができないなど病的な依存状態に進行する可能性があります。

パチンコ・パチスロの依存(のめり込み)の自己チェック

(DSM-5 ギャンブリング障害を参考にパチンコ・パチスロ用に作成)

パチンコ・パチスロ業界団体では、お客様にパチンコ・パチスロを「適度に楽しむ遊び」としてポケットマネーの範囲内でお遊びいただくことをおすすめしています。
パチンコ・パチスロを「やめたいと思っているが、なかなかやめられない」「もしかして依存かな?」などと感じられている方に、希望により、下記の「自己診断チエック」をおすすめしています。パチンコ・パチスロ依存は、どなたでも起こり得る問題です。一度チェックしてみませんか?

"はい"にチェックを入れると数を表示します。
"いいえ"の場合はチェックしないでください。
自己診断チェック表 はい
1.望み通りの興奮を得たいがために、もっと金額を増やしてパチンコ・パチスロをしたい欲求があった。
2.パチンコ・パチスロをするのを減らしたり、または中止したりすると落ち着かなくなったり、またはいらだったりした。
3.パチンコ・パチスロをするのを制限したり、減らしたり、またはやめようとして、失敗を繰り返してきた。
4.しばしばパチンコ・パチスロをすることに心を奪われていることがあった(例えば、過去のパチンコ・パチスロの経験を思い起こしたり、次のパチンコ・パチスロでどうしたら勝てるかを考えたり計画を立て、パチンコ・パチスロをするための金銭を得る方法を絶えず考えたりした)。
5.悩ましい(例えば、救われない、罪悪感のある、不安な、ゆううつな)気分のときに、パチンコ・パチスロをすることがしばしばあった。
6.パチンコ・パチスロでお金を失った後、別の日にそれを取り返すためにパチンコ・パチスロをやりに戻ることがしばしばあった。
7.パチンコ・パチスロへののめり込みの深さを隠すために、嘘をつくことがあった。
8.パチンコ・パチスロのために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがあった。
9.パチンコ・パチスロによって引き起こされる絶望的な経済状況から逃れるために、他人にお金を出してくれるよう頼んだ。
はいの数は"0"です。
  • 4~5 軽度ののめり込みの可能性あり
  • 6~7 中等度ののめり込みの可能性あり
  • 8~9 重度ののめり込みの可能性あり

4項目以上当てはまる人は、相談を!

軽度以上の基準に当てはまる人は、娯楽の範囲で遊べなくなっている可能性があります。 このまま、同じ遊び方を続けると日々の生活や将来の生活に悪い影響が生じる危険があります。 自分自身とパチンコ・パチスロとの付き合い方を見直してください。


上記、「安全に遊ぶための8か条」を参考にしてください。

(http://www.responsiblegambling.org/safer-play を元にして作成)


中等度・重度に当てはまる人

かなり危険な段階です。生活や人間関係がパチンコ・パチスロで危機に瀕しています。 まずは、一旦パチンコ・パチスロから離れて、自分自身への影響・周囲の人たちへの影響に目を向け、 パチンコ・パチスロによって生じた問題や悪化した問題の解決に取り組む必要があります。 どうしていいのかわからない、止めたくても止まらない人は、問題解決支援の専門家に相談してください。 問題解決と合わせて、同じ状態に戻らないための取組み(再発防止)も大切です。


パチンコ・パチスロ業界による依存(のめり込み)対策の取組み

パチンコ・パチスロ業界では、依存(のめり込み)対策として様々な取組みを展開しています。

電話相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク」への支援

パチンコ・パチスロ業界では、パチンコ・パチスロへの過度な「のめり込み」が原因で、生活に様々な問題が生じている方、また、そうした問題を抱えているご家族をお持ちの方に、専門の相談員が無料でお話をうかがう相談機関「認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク」を、設立より継続的に支援しています。

RSNポスター
「自己申告・家族申告プログラム」の導入促進

ご自身でパチンコ・パチスロ遊技へののめり込みを抑制したいと考えている方には、自己申告プログラムをご用意しております。このサービスはお客様の1日に使用する金額や遊技時間等の上限をご自身で決めていただき、その上限を超えた際に店舗スタッフがお知らせするものです。また、ご家族からのお申込みにより、依存問題を抱えていると思われる遊技者の入店制限をする家族申告プログラムもご用意しております。
パチンコ・パチスロ業界では、ホールでの「自己申告・家族申告プログラム」導入促進を進めており、現在5272店舗がプログラムを導入しています。(※2022年3月末現在)

自己申告・家族申告プログラムポスター
自己申告・家族申告プログラムご利用案内
「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」制度の運用

パチンコ・パチスロ業界団体では、ホールのスタッフを対象に、パチンコ・パチスロの遊び方やのめり込みの問題に関する基礎知識を習得してもらう「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」講習会を開催しています。2022年3月現在、約4万1000人のスタッフがすでに講習を受講しております。
「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」講習会を受講したスタッフがいる店で、遊び方について分からないことやのめり込みについて不安のある方は、スタッフまでお声がけください。

安心パチンコ・パチスロアドバイザー
パチンコ・パチスロ依存問題啓発週間の取組

毎年、5月14日から5月20日はパチンコ・パチスロ依存問題の啓発週間です。パチンコ・パチスロ業界団体は、この啓発週間を中心に、パチンコ・パチスロ依存(のめり込み)問題についての理解を広げるためフォーラムを開催するほか、啓発週間をお知らせするポスターの張り出し等の活動を行っています。また、各パチンコホールでは、ご自身やご家族の遊技に不安がある方やパチンコ・パチスロへののめり込みに関心がある方にリーフレットをお渡ししています。

啓発週間告知デザイン
《啓発週間告知デザイン》

この他、パチンコ・パチスロ業界が進めている依存(のめり込み)対策の取組みの詳細につきましては、下の動画をご覧ください。


パチンコ・パチスロの依存(のめり込み)問題解決への支援

パチンコ・パチスロの依存(のめり込み)の問題解決には、自分自身の努力も必要ですが、専門の知識を持った相談・問題解決・回復支援の組織があります。自分自身のパチンコ・パチスロの遊び方に問題を感じ、行動習慣を変えたいと思ったら、ぜひ相談してみてください。

パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。

リカバリーサポート・ネットワークに寄せられた相談事例のご紹介

上記リカバリーサポート・ネットワークの相談電話に寄せられた、パチンコ・パチスロの依存(のめり込み)に関する相談事例を紹介いたします。


相談事例の紹介(RSNニューズレターさくら通信より抜粋)
※このPDFの無断転載、転用を禁止します。

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